職場内恋愛
「賢がね…?
高校、G高行く、って言うんだ。
奈々ちゃん…G高って知ってる?」
「ううん、知らない。
名前は聞いたことあるんだけど…」
真は俯いたまま、話を続けた。
「G高は県外にあるの。
サッカーで結構有名な男子校。
で、全寮制。」
………なるほどね。
ここまで聞いてなんとなく、別れた理由、分かったよ。
「なんでだろうね…
あたし、こういうとき
頑張って、遠くから応援してるよ
って言える自信、あったのに。
いざ、自分がその立場になったら…言えなかった…」
もしかしたら真は、泣いていたのかもしれない。
声が少し、震えていたんだ。
それでも気丈に、いつも通りに振る舞おうとしている真を
年下なのにカッコイイ、そう、思った。