職場内恋愛
「ホントにさ…賢、突然言うんだからやめて欲しいよ。
少しでも心の準備ができてたら、
別れなくても…すんだかもしれないのに…」
真は乾いた笑い声であはは、と笑った。
「真?いいんだよ、笑わなくても。
無理して…強がったりなんてしなくてもいいんだよ」
そう言い終えてしばらく、沈黙が流れた。
そして足下から嗚咽が聞こえて。
チラッと真の姿を確認すると真は膝を抱えて背中を震わせていた。
私は真の横に座って肩を抱く。
「大丈夫だよ、真。
きっと、相原くんとやり直せるから。
その人のこと、ずっと想っていれば…その願いは、きっと、叶うから。」
ただの励ましなんかじゃない。
実体験に基づく言葉だ。
私は別れてもずっと、優作を想っていた。
その結果、2度別れて、2度、やり直すことができた。
だから真も…ずっと、相原くんを想い続けてほしい。
その今ある、『スキ』ってキモチがなくなるまで、ずっと、相原くんを想っていて欲しい。
きっと、相原くんも真を想ってるから。
そして、いつかきっと、
また、2人の道が交じり合うから。
そのときまでずっと、相原くんを好きでいて。
そしたらまたいつものように笑ってくれればいいよ、真。
だから、今は無理、しないでね。