職場内恋愛
卒業
『おい、お前らー!
最後くらいピシッとしろよ、ピシッと!』
俺は小さな声で叫ぶ。
今日は卒業式。
ついにやってきてしまった卒業式。
俺のクラスはみんな、無事に高校が決まった。
『ね、センセ。
俺、むっちゃ緊張してるんだけど』
1組の担任である俺は先頭で入場する。
そのため、相原の前に立っていた。
すると後ろから袖を引っ張られる。
『え?卒業式だから緊張?
それとも…告白、するから?』
ニヤッと笑って相原を見るとなぜか睨まれる。
『やめてよ、それ言うの。
両方だよ、両方。
あー…もう逃げ出したい』
そんな相原の言葉に思わず笑う。
『落ち着けよ、相原。
男らしく、堂々と入場すればいい。
あ、告白ももちろん男らしく堂々とな』
相原は曖昧な表情で頷いてみせる。
前から言っていた相原の告白は今日、決行される。
ま、こんなの報告がなくたって絶対に、より戻すに決まってるけどな。
なんて言ったって、京地はまだ相原が大好きなんだから。