桜の咲く頃
ハナが服を脱ぎ出した。
ソコには無数の傷が有った。背中にはタバコを押し付けた後や切り傷。自分でやったとは思えない。親!?
ハナが口を開いた。
「以前付き合っていた人からDVを受けてて。」
俺は呆然とした。
あんなに明るくて面白い娘の内側にはこんな苦しい過去が。
俺はハナに服を着させた。
「ごめんな。」
知らなかったとは言え、恐怖を蘇らせてしまった。
「沖田さんが何で謝るんですか?気にしないでくださいね。知らなかった事だから。……朔には迷惑かけたくないから言わないで下さい。そのまま両親に言うから。」
「朔が好きじゃないのかもう?」
「えっ!あっえっと〜。」
苦笑い。
「総司、勘違いしてるだろう?」
「はっ?」
「朔は双子の弟だハナの。」
「えっ!」
ハナの顔を見る
「二卵性の双子で似てないんで、間違われるんです良く。」
思いっきり溜め息を付いた。自然と笑いが込み上げてきた
「朔のやろーカマかけやがった。今度覚えてろ。」
「あっ!!四葉私、帰らなきゃ。怒られる。」