桜の咲く頃


「じゃー佐山に…。」


「俺が送る。」

朔と恋人じゃないと知ってチャンスが来た。


「わっ…悪いです。」


「気にすることじゃないんじゃないか?」

保志が言った。



そうして一緒に帰る事になった。


帰り際四葉に
“送り狼すんじゃねぇぞ”と釘を刺された。
性格変わりすぎの四葉様です。


車は苦手だから歩いて帰る。


「ハナ?」


「はい?」


「恋人居ないの?」


「…うん。トラウマってやつ。男性恐怖症。」


「そっか。勿体無いな。そんなに可愛いのに。」


「イケメンにそんな事言われたら頭に昇っちゃうよ?」


「昇っとけ昇っとけ。でも、マジ告られるっしょ?」

「嫌味ばっかの手紙が多いかな?“放課後、屋上に来い”みたいな?」


それって……。


「あんな事が有った後でも俺とお茶しに行ってくれる?」





返事がない…ハナを見たらビックリした顔で俺を見てた。


「顔崩れてる。」


「あっ、ごめんなさい」


「んで?」


「私ですが良いんですか?」

「ハナと居ると面白いし。」
< 21 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop