桜の咲く頃



「ハナに心当たり無いよね?」




首を縦に振る。



「何でだろう?」



又、私の事で朔に迷惑をかけちゃう。



「大丈夫だよ!もぅ来ないんじゃない?響さんが追い払ってくれたし」



「んな訳ねぇ〜だろ?」



「だって又、朔に迷惑かけちゃう。せっかく彼女が出来たのに、私のせいで別れちゃうなんてさせたくないの。」



「昔は昔、今は今。保志君と総司さんだって居る、カフェに来れば叔父さんや多賀さん、杉山さんだって居るし、今日みたいに響だって助けてくれる。ハナはもぅ少し人に頼ることしなよ。血縁者に頼らないで他人にはもっと頼れないよ。」



「そぅだよ。ハナちゃん?」


「何か在ったら俺、兄さんと姉貴に殺される。」



「血縁者じゃないけど、大事な妹見たいなもんだよハナちゃんは。」



「ハナっちこの前、お兄ちゃん見たいって言ってくれたじゃん!?アレ嘘なのかよ。」



こんなにも頼れる人が居たなんて…私……バカみたい。


涙が湧いた。








次の日、ゴシップ雑誌に“人気モデル響(26)、中学生にベタ惚れ”と言う記事が掲載されている事など知らなかった。
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