桜の咲く頃
「総君を好きになった証にしたい。」
「この先、又誰かいい人が現れるかもよ?」
「もぅ…私は恋愛なんてしない。総君を最後の人にしたいの。全身全霊で愛した人だから。私には次が有るか解らないから。」
そうだった。アノ事件で1回中絶をしたんだった。
「産めない体になるからとかじゃないの……好き過ぎて忘れられないから。忘れたくないから。私を暗闇から日の光をくれた1人だから。我が儘でゴメン……私、卒業したらココから出てく。」
両親はビックリしてた。
「ダメ!!そんなこと認めない!!」
「親不孝者にはなりた……パチンッ」
頬に激痛が走った。
「親に迷惑かけるのが子供の役目なの。孫の顔が拝めるんだもの最高の親孝行じゃない。私、ハナに付いて行きます。これ以上ハナの泣き顔見たくない。」
「ママ!?出て行くって…。」
「気に入らないんだったら離婚でもいいんです。」
「ママがそんな事しなく……」
「黙ってなハナ。子供の幸せは親の幸せなの。ソレを邪魔する奴は許さない。」
「ハナってお袋似だよな。」