桜の咲く頃
病院につき今、病室の前に居る。
あんな別れ方して会わせる顔無いんだけど……
手摺に手を掛けドアを開けた。
死んでるように眠るってこの事だろうと実感した。
点滴に繋がれている腕は明らかに細くなっていた。
自分のした事が本気に正しかったのかが解らなくなった。
と同時に涙が頬を伝って床に落ちた。
「ハ……ナ……?」
ビクッとして総司を見たけど
「寝言?」
起きる様子が無い
「総…司?ごめん…ね。愛してますずっと……ずっと。お腹の子と頑張るね。だから、幸せになって」
「ハナさん?」
華絵さんだった。
「ごめんなさい。直ぐ帰ります。」
「待って、今の……」
「き……聞き間違いですよ。それじゃ。」