二人の背徳
第一章~生きたくない
慌ただしくコンビニへと自転車を進めた。店に入るなり慣れた順路でカゴから溢れるほどの食材を詰め込んだ。
菓子パンにお弁当やお菓子を数個づつ。
亜依はソワソワしながらレジに並び財布から5000千円札を取り出した。
おつりはたったコインが数枚だ。

家に帰るなり直ぐ様レジ袋をあさり、味も確かめることなく次々と食べ尽した。
そうかと思えば1リットルの水を一気に飲み干し、息付く暇もなくトイレに駆け込んだ。
聞こえてくるのは…嘔吐の音だ。それも無理矢理吐かせている苦しげな声が1ルームの部屋に響き渡る。

そう
亜依は摂食障害を抱えている。
発病してからもう5年目だ。
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