唇。



この仕事初めて半年。



現場の人たちとも仲良くなって、仕事にもだいぶ慣れて来た。


「ぎゃー!ちょ、遠野さん!なんつー事を!!」

「いや、太い太い言ってるからどんなもんかと。」


仕事が始まる30分前。
いつもの様に遠野さんたちと騒いでる。


あたしの横にはしれっとした顔で、利き手を開いたり閉じたりする遠野さん。

何をされたかって?

あたしが、「太ってる。隠れ脂肪ですよ。」って自己申告した瞬間、遠野さんの手が脇腹をガッと掴んできたのだ。
そういうボディタッチに特に抵抗はない。
下心がないと解ってるから。
でも、急にされれば誰だって驚くよ。




バシバシと彼の肩を叩きながら抗議をするあたし。


笑って誤魔化す遠野さん。


そんなあたし達を見て笑ってる飯田さん。






凄く楽しい時間。
やっぱり、男の人は楽だ。


< 13 / 22 >

この作品をシェア

pagetop