チョコ~大切な人~【短編】
結局、渡すどころか話し掛けるタイミングすら見付けられないまま放課後になった。
放課後になっても淳の周りにはまだ女の子が集まる。
初めてそんな女の子達に囲まれたからって嬉しそうにしちゃってさ、バカじゃないの?
もう美鈴のイライラは最高潮になっていた。
「淳のバカぁぁぁ!!」
バコ!!!
「…ーいってぇ!!!」
美鈴はおもいっきり淳の頭目掛けて今日あげるつもりだったトリュフが入ってる入れ物ごと投げ、見事に命中した。
入れ物の角がキレイに命中したから多分けっこう痛いだろう。
「いってぇ…、なんなんや?
って、美鈴かよ!!
いきなり物投げんでええやろ!!」
「淳が全部悪いんじゃない!!バカ!!」
バンッ!!
美鈴は目に涙を溜めて教室のドアをおもっきり開けて出ていった。