チョコ~大切な人~【短編】
「俺チョコ誰からも貰ってへんよ?」
淳がこのセリフを言った瞬間、美鈴は淳を本気で殴ってやりたくなった。
貰ってない!?
意味わかんないし!!
私の目の前で大量のチョコ貰ってたじゃん!!
顔を半分だけだして美鈴を睨んだ。
「はぁ~。お前勘違いしてるやろ?」
「…してないし。」
「してる!!」
「してないって言ってるじゃん!!
てか勿体振らないで言いたいコトあるなら早く言いなよ!!」
美鈴は淳が言い訳を言ったら直ぐに言い返せるように身構えた。
「あのさ、もう一度言うけど俺チョコ貰ってへんねん。
でもお前、貰ってたと思っとるやろ?」
「…実際貰いまくってたじやん。」
「ちゃうねんって。
あれはな、全部テニ部の北川先輩に渡せって女子から渡されてん。」
「…嘘つき。」
女子たちが北川先輩に渡したいなら直接先輩に渡すはずじゃん。
第一、淳に渡す意味が分かんない。
なんでこんなしょうもない嘘つくのよ…。
あーウザ、涙でてきたし…。