チョコ~大切な人~【短編】
淳は電話でそう話すと「ほい」っと携帯を渡してきた。
「は?なんで私に携帯渡すの?」
「ええから出ろって。」
淳は私に強引に携帯を押し付けてきた。
私は仕方なく電話に出た。
「あの~、もしもし?」
『あ、沢井の彼女サン?
どうも、三年の北川竜一です。』
「え!?」
私はビックリして淳の方を見た。
淳はアゴで私に「ええから電話に集中しろ」と言うように合図をしてきた。
『もしもし、彼女サン?』
「へっ、あ、はい!!」
慌てて電話の方に意識を戻したが、まだドキドキしっぱなしだった。
だって、私の学校で多分一番モテる北川竜一先輩といきなり電話させられたのだから…。
『で、話いいかな?』
「は、はい!!
そりゃもうどうぞ、どうぞ!!」