憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
帰りの車内でココは複雑な心境だった
それでも、一度キレた母親の熱を治める術を知らないのでそーっと助手席から母親を伺ってみる
いつもおしゃべりすぎる母なのに、今日はジッと前を見据えて運転している
その空気に本気度を垣間見たココは、もうなるようになる・・と半分諦め窓の景色を目に映したのだった
翌日からココを取り巻く空気はガラッと変わっていた
生徒達は今まで以上にココに近寄らなくなったし、教師達も腫れ物にふれるかの扱いだった
元々馴染んでいなかったココは、ますます孤立していったのだが、母親である姫花はその事実に全く気がついていなかった
その中で、セイシローとジュジュだけがココに笑顔で話しかけ、ジュジュとはお昼を一緒に食べるようにもなっていった
ココにとって、幼なじみではなく、初めて学校でできた友達というふたりの友達は、学校に行く楽しみになっていた
「なんでこんなに不器用なのかな~?」
もうすぐGWになろうとしている4月下旬、日差しを避け、木陰のベンチで昼食をとっていたふたり
ジュジュの唐突な質問になんの事かとココは首をかしげた
「ココって、有名じゃない? 親も兄弟も有名だし、美人すぎて高嶺の花って感じで、恐れ多くて話しかけられないってクラスの男子が言ってたし、私も実際そうだと思っていたけど、蓋を開けてみれば、サバサバしてて付き合い易いし、なんていうか・・・控えめだし?」
興奮して話しているジュジュの言葉を遮るように
「・・なんか・・それって 褒められてんの?」
とペットボトルにストローを差し込んで飲んでいるココ
「なんかさ、ペットボトルにストローさして飲んでるとかさ、知らない人が見たら気取って見えるんだけどさ、実際は、ジョー君にされたイタズラのトラウマで普通に飲めなくなったっていう・・なんとも言えない経験があるわけでさ、本当に勘違いされているんだよね・・」
ジュジュの言いたい事がようやく理解できたココは
「それでも、こうやって今ジュジュとお昼を食べている事だけで楽しいよ 今まで誰かと話しながらお昼休みを過ごすなんてありえなかったし・・・ 無理に知って欲しいと思わないし、反対に私も知りたいと思わないし・・」
それでも、一度キレた母親の熱を治める術を知らないのでそーっと助手席から母親を伺ってみる
いつもおしゃべりすぎる母なのに、今日はジッと前を見据えて運転している
その空気に本気度を垣間見たココは、もうなるようになる・・と半分諦め窓の景色を目に映したのだった
翌日からココを取り巻く空気はガラッと変わっていた
生徒達は今まで以上にココに近寄らなくなったし、教師達も腫れ物にふれるかの扱いだった
元々馴染んでいなかったココは、ますます孤立していったのだが、母親である姫花はその事実に全く気がついていなかった
その中で、セイシローとジュジュだけがココに笑顔で話しかけ、ジュジュとはお昼を一緒に食べるようにもなっていった
ココにとって、幼なじみではなく、初めて学校でできた友達というふたりの友達は、学校に行く楽しみになっていた
「なんでこんなに不器用なのかな~?」
もうすぐGWになろうとしている4月下旬、日差しを避け、木陰のベンチで昼食をとっていたふたり
ジュジュの唐突な質問になんの事かとココは首をかしげた
「ココって、有名じゃない? 親も兄弟も有名だし、美人すぎて高嶺の花って感じで、恐れ多くて話しかけられないってクラスの男子が言ってたし、私も実際そうだと思っていたけど、蓋を開けてみれば、サバサバしてて付き合い易いし、なんていうか・・・控えめだし?」
興奮して話しているジュジュの言葉を遮るように
「・・なんか・・それって 褒められてんの?」
とペットボトルにストローを差し込んで飲んでいるココ
「なんかさ、ペットボトルにストローさして飲んでるとかさ、知らない人が見たら気取って見えるんだけどさ、実際は、ジョー君にされたイタズラのトラウマで普通に飲めなくなったっていう・・なんとも言えない経験があるわけでさ、本当に勘違いされているんだよね・・」
ジュジュの言いたい事がようやく理解できたココは
「それでも、こうやって今ジュジュとお昼を食べている事だけで楽しいよ 今まで誰かと話しながらお昼休みを過ごすなんてありえなかったし・・・ 無理に知って欲しいと思わないし、反対に私も知りたいと思わないし・・」