憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
「あれ? 北斗さん!?」
レンがらみで数回顔を合わせたことのあるマキは北斗の登場に驚いた様子だった
マキに気がついた北斗は、軽く手をあげただけでカウンターのアリへ視線を向ける
「どうも・・」
ちょっと照れたように笑う北斗
「めずらしい客が来たね~」
アリはニヤニヤ笑いながら、北斗の前にグラスを出し、ビールを注いでいく
北斗がAQUAで飲むのはいつもお気に入りのベルギービールと決まっていたのだ
久しぶりに顔を見せた客の好みを覚えておくものバーテンダーの重要な仕事だった
そんなアリに軽く会釈をした北斗はカウンターに座り、無言でグラスに口をつける
特に何を話すでもない北斗の様子にマキとアリは目配せをしている
程なく空になったグラスを見て
「なんだかペース早いねぇー 次も同じでいい?」
とアリは声を掛けるも、北斗は立ち上がり
「いや・・ 今日はこれで帰ります ご馳走様でした」
と北斗は足早にAQUAを去っていったのだった
来て、15分いただろうか?
アリと話をするでもなく、食事をするでも、お酒を嗜むでもなく去っていった北斗の後姿にアリもマキも首をひねるだけだった
しかし、この日を境に北斗は頻繁にAQUAに通うようになっていったのだった
レンがらみで数回顔を合わせたことのあるマキは北斗の登場に驚いた様子だった
マキに気がついた北斗は、軽く手をあげただけでカウンターのアリへ視線を向ける
「どうも・・」
ちょっと照れたように笑う北斗
「めずらしい客が来たね~」
アリはニヤニヤ笑いながら、北斗の前にグラスを出し、ビールを注いでいく
北斗がAQUAで飲むのはいつもお気に入りのベルギービールと決まっていたのだ
久しぶりに顔を見せた客の好みを覚えておくものバーテンダーの重要な仕事だった
そんなアリに軽く会釈をした北斗はカウンターに座り、無言でグラスに口をつける
特に何を話すでもない北斗の様子にマキとアリは目配せをしている
程なく空になったグラスを見て
「なんだかペース早いねぇー 次も同じでいい?」
とアリは声を掛けるも、北斗は立ち上がり
「いや・・ 今日はこれで帰ります ご馳走様でした」
と北斗は足早にAQUAを去っていったのだった
来て、15分いただろうか?
アリと話をするでもなく、食事をするでも、お酒を嗜むでもなく去っていった北斗の後姿にアリもマキも首をひねるだけだった
しかし、この日を境に北斗は頻繁にAQUAに通うようになっていったのだった