憂鬱な姫君 （姫シリーズVol．5）

色づく

「それにしても・・・」

部屋中に飾ってある写真をみてハンナはため息をともに言葉をのみこんだ

北斗の写真に囲まれている部屋

色んなサイズの写真なので、圧迫感などはなく、センス良く配置されている

呆れているのか、圧倒されているのかわからないハンナを横目にココは出されたコーヒーに口をつけた

「あっ　おいしい・・」

ココの小さなつぶやきに

「まじで？　やった！」

と小さくガッツポーズをするブライアン

まだブラックコーヒーを飲めないココだったが、コーヒーの香りは好きで、カプチーノに甘いフレーバーシロップを入れたりして飲むことに最近ハマっていたのだが、ココの笑顔を見たいブライアンは、ココに喜んで欲しくてオリジナルで豆を配合して研究していたのだ

「今日の好きかな」

とブライアンを見るココ

「次はもっとおいしいの飲ませてやるからな？」

とココを見つめるブライアンの瞳は優しい

「おほん！！」

わざとらしい咳払いをするハンナ

「あんた達バカップルのノロケは学校で散々見てるんで、放課後まで見たくないんですけど？」

腕を組んでソファにもたれかかるハンナ

「ハンナ～」

甘えるようなココの声に

ハンナも笑顔を返す