憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
そんなケーゴをまた別の意味で冷めた目で見るココ

「でも、※ルーカスが三段ケーキ持ってきてくれて、お袋卒倒しそうな勢いで喜んでた」

とジョー

「え~ なにそれ!! やっぱチョコのケーキ?」

と急に話しにのってきたココ

「そりゃそうだろ? 俺チョコとか甘いモン得意じゃねぇけど、あそこのだけは食えるし」

とケーゴ

「あ~ 食べたかった!!!」

ルーカスのチョコケーキの話しに興奮して立ち上がったココだったが、一気に脱力してソファに座り込んだ

「んなことより・・・」

とココを見るジョー

「何よ?」

警戒するココ

ケーゴはどこか挙動不審だ

「なんで帰ってこねぇんだよ? 7月にこっち来てもう3月だぞ? その間、電話もメールもほとんどしてねぇだろ?」

「・・・・・」

「おい、ジョー 少し落ち着け・・」

少し声が大きくなったジョーをなだめるケーゴ

「ココ! なんとか言え」

しばらくの沈黙の後

「別にたいした理由はないよ? 勉強についていくのが必死でそこまで気がまわらなかったし」

と言いながらケーゴともジョーとも視線を合わせないココに

「へぇ~ それだけ?」

ジョーはココから視線をそらさなかった



※ルーカス:姫花お気に入りのチョコ専門店オーナー「姫☆組」より
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