憂鬱な姫君 （姫シリーズVol．5）

トイレを済ませ、手を洗っていたココに落ちる影

顔をあげたココは自分が数名の女生徒に取り囲まれている事に気付いた

“え？　何？”


困惑の表情を読み取ったのか

「あなた一体なに？」

とココの正面に立っているブロンドの少女が口をひらいた

“あなた何ってなに？”

言っている意味がよくわからないので、首をかしげると、どうやら通じていないと勘違いしたようで

「あ～な～た～　な～ん～な～わ～け？　すっご～く目障りなんだけど？」

と最初をゆっくりと言いい直した

「目障りって？」

気が弱いほうでもないココは“カチン”ときた

目障りもなにも、自分と彼女達にはなんの接点もないはずだ

ココのその言葉に彼女達も声を荒げる

「私のイトコが日本の漫画が好きなの」

とブロンドの少女の隣にいた黒人の女の子が静かに口を開いた

急に変わる話に眉をひそめるココ

「きいたんだけど、日本人の女の子って気に入らない子がいたらトイレの水を頭からかけるんでしょ？」

サラッと話す少女に、思わず

「は？」

と声がでるココ