憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
ココはショックでしばらくその場から動けないでいた

女の嫉妬は半端ないのは知っていた

小さい頃は、お気に入りだった髪飾りをハサミで切り刻まれた

ジョーに対する嫉妬でジャングルジムから突き飛ばされ、ケーゴに対する嫉妬でプールで溺れかけた

子どもだったから容赦なかったのだと今になって思うけど、それでもそんな嫉妬にうんざりで大人しく、目立たず過ごしていこうと思った

それでも、太平洋を越え自分の気が緩んだのかな・・とココはため息をつき

「よし!!」

と気合をいれ、トイレのドアを開けたのだった

何事もなかったように、カフェに戻ると

「ココ!!」

とブライアンが血相を変えて走ってきた

“え? もうさっきの事バレた・・とか?”

とココが困惑していると

「心配したから・・ 」

とブライアンにギュッと抱きしめられたのだった

その横でJが笑いながら電話を掛けはじめ、しばらくすると鬼の形相でジョーとケーゴがカフェに走って入ってきたのだった

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