憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
カフェの朝は早い
店と続きになっている家の中にもコーヒーのいい匂いが鼻をくすぐる
ココは清清しい気持ちでベットから起き上がった
学校と仕事はどう調整したのか、ジョーとケーゴは市内のホテルでまだ寝ているだろうな・・
と思いながら支度を済ませ、カフェへ降りていくココ
馴染みのお客さんに挨拶しながら、ポットにコーヒーを入れ、マロンさん特製のパンにトマト、アボガド、レタスにたっぷりのピクルスとカリカリに焼いたベーコンそして三種類のチーズを挟んだ特製サンドを作り、それをカバンに詰め込んだ
ココの好きなものだけを挟んだオリジナルサンドなのだが、常連には評判がよく、メニューには乗っていないサンドイッチ
採算度外視のサンドイッチなので、メニューには載せられないのだ
通りに出るとタクシーを拾い、ホテル名を告げる
日本人の女の子、そして行き先はホテル・・
観光客だな・・と思った運転手はわざとルートから外れ、運賃を稼ごうとするが
「あなた最近引越してきたの? 道、間違ってるわよ?」
と流暢な英語で指摘され、思わずバックミラーでココをジッと見てしまう
「何?」
そんな運転手の視線に気付いたココは冷たく言い放ち
「観光客を騙すのもいいけど、そこに自分の名前乗っけて走ってるんでしょ? 恥ずかしくないの?」
と助手席の前に置かれている運転手の顔写真つきの証明書をあごでさした
少し恥ずかしくなった運転手は無言でUターンし、最短距離でホテルに着き、ココからお札を受け取り、混雑しているホテル前から追われるように発進したのだった
店と続きになっている家の中にもコーヒーのいい匂いが鼻をくすぐる
ココは清清しい気持ちでベットから起き上がった
学校と仕事はどう調整したのか、ジョーとケーゴは市内のホテルでまだ寝ているだろうな・・
と思いながら支度を済ませ、カフェへ降りていくココ
馴染みのお客さんに挨拶しながら、ポットにコーヒーを入れ、マロンさん特製のパンにトマト、アボガド、レタスにたっぷりのピクルスとカリカリに焼いたベーコンそして三種類のチーズを挟んだ特製サンドを作り、それをカバンに詰め込んだ
ココの好きなものだけを挟んだオリジナルサンドなのだが、常連には評判がよく、メニューには乗っていないサンドイッチ
採算度外視のサンドイッチなので、メニューには載せられないのだ
通りに出るとタクシーを拾い、ホテル名を告げる
日本人の女の子、そして行き先はホテル・・
観光客だな・・と思った運転手はわざとルートから外れ、運賃を稼ごうとするが
「あなた最近引越してきたの? 道、間違ってるわよ?」
と流暢な英語で指摘され、思わずバックミラーでココをジッと見てしまう
「何?」
そんな運転手の視線に気付いたココは冷たく言い放ち
「観光客を騙すのもいいけど、そこに自分の名前乗っけて走ってるんでしょ? 恥ずかしくないの?」
と助手席の前に置かれている運転手の顔写真つきの証明書をあごでさした
少し恥ずかしくなった運転手は無言でUターンし、最短距離でホテルに着き、ココからお札を受け取り、混雑しているホテル前から追われるように発進したのだった