憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
しかし、姉はそれを許さない

「ほら! 早く着てきて!!」

とジョーの背中をバシッと容赦なく叩く

「痛って!!」

素肌の上に赤い紅葉・・

しかし、背中なのでジョーにはもちろん見えないのだが

「ったく・・」

としぶじぶ重い腰をあげ、近くにあったシャツを羽織ったジョー

しばらくするとデニムにTシャツというラフな格好に着替えたケーゴも腰をおろし、ココは、そこでようやくバスケットの中からサンドを出し、ふたりに手渡した

指についたアボガドソースを “ちゅっ” と舐めたケーゴは前のソファに並んで座る双子に視線を移した

ケーゴのそんな視線に気付いたのか、そうでないのか、サンドイッチを頬張りながら

「で、俺はなんて言えば良いわけ?」

とココを一切見ずに問いかけた

そんなジョーの様子ににっこり笑ったココは

「ごめんねって言っといてよ? 私、まだ帰れない」

とジョーの方に体をむけ、真剣な様子で答えた

「了解」

そんな二人の様子を見ていたケーゴはやっぱり双子だな・・と改めて実感してしまうのだった
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