憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
初めての感情
家と学校の往復で時間が過ぎてゆくココは、週末の昼下がり、ひとり、家のリビングでボーっとしていた
転校してきたジョーは相変わらず忙しく、学校に来ていても、ほとんど顔を合わせることは無く、ケーゴも最近忙しいらしくAQUAに行っても見かけない
父はハリウッドで賢次くんと映画の撮影があって、しばらくこっちには戻ってこれないらしいし、母は念願だったネイルサロンを青山にOPENすることになって、大忙しだった
学校でもひとり、家でもひとり
誰とも会話をしない日もめずらしくなかった
そんな時、北斗の写真集を眺めると不思議と心が穏やかになれた
北斗がシャッターを押すとたちまち楽園になるその風景は、ココにとって夢の国で、その夢の国に移っている自分の姿は、どこかはかなく写った
北斗とも連絡をとっていなかった
学生と社会人ではもともと生活のサイクルが違うし、もともと写真集を作るということで知り合ったふたりが、その仕事が終わった今、会う理由がないのも事実だった
♪♪♪
家の電話が鳴った
ココはゆっくり、電話を見たが、そのまま立ち上がることも無く、鳴り続ける様子を見ていた
程なくして、留守電に切り替わる
「ココ!! 私よ!! いるんでしょ!! お願い! 出て!!!」
電話から聞こえる母の焦った声に驚きながらも、ココはおもむろに受話器を上げた
「あ~ やっぱり・・ 居留守だと思ったのよ・・」
電話にでたことに安堵のため息の姫花
「どうしたの?」
「え? あ!そう! 忘れ物しちゃってね、どうしても持ちに行けないから、悪いんだけど、こっちまで届けて欲しいの」
「青山まで?」
「そう・・ サロンの場所はわかるわよね?」
「わかるけど・・・」
「よかったわ・・ ママの部屋に黒のケースがあると思うんだけど、それを至急持ってきて頂戴ね!」
「も~ 」
「ね! ココお願い!!」
転校してきたジョーは相変わらず忙しく、学校に来ていても、ほとんど顔を合わせることは無く、ケーゴも最近忙しいらしくAQUAに行っても見かけない
父はハリウッドで賢次くんと映画の撮影があって、しばらくこっちには戻ってこれないらしいし、母は念願だったネイルサロンを青山にOPENすることになって、大忙しだった
学校でもひとり、家でもひとり
誰とも会話をしない日もめずらしくなかった
そんな時、北斗の写真集を眺めると不思議と心が穏やかになれた
北斗がシャッターを押すとたちまち楽園になるその風景は、ココにとって夢の国で、その夢の国に移っている自分の姿は、どこかはかなく写った
北斗とも連絡をとっていなかった
学生と社会人ではもともと生活のサイクルが違うし、もともと写真集を作るということで知り合ったふたりが、その仕事が終わった今、会う理由がないのも事実だった
♪♪♪
家の電話が鳴った
ココはゆっくり、電話を見たが、そのまま立ち上がることも無く、鳴り続ける様子を見ていた
程なくして、留守電に切り替わる
「ココ!! 私よ!! いるんでしょ!! お願い! 出て!!!」
電話から聞こえる母の焦った声に驚きながらも、ココはおもむろに受話器を上げた
「あ~ やっぱり・・ 居留守だと思ったのよ・・」
電話にでたことに安堵のため息の姫花
「どうしたの?」
「え? あ!そう! 忘れ物しちゃってね、どうしても持ちに行けないから、悪いんだけど、こっちまで届けて欲しいの」
「青山まで?」
「そう・・ サロンの場所はわかるわよね?」
「わかるけど・・・」
「よかったわ・・ ママの部屋に黒のケースがあると思うんだけど、それを至急持ってきて頂戴ね!」
「も~ 」
「ね! ココお願い!!」