憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
「はぁ・・・ わかった・・」
「本当!! 助かるわ!! じゃあ気をつけて来るのよ? 知らない人に付いて行っちゃ駄目よ? それと・・」
「もう! もう17だよ? そんな事わかってるって! じゃ、切るよ!」
いくつになっても心配する母の言葉を遮り、ココはため息をはき、母親の部屋に向った
母親の部屋といっても、両親の寝室続きの姫花の仕事部屋だった
才能のある母は、自分のブランドを持ち、そのデザインをしているので、机の上はデザイン画が散乱していた
ココは慣れた手つきでデザイン画をまとめ、その下に埋もれていた黒のケースを発見した
モコモコの小さめのポシェットに、小銭、クレジットカードと、携帯を突っ込み、ケースを抱え自宅を後にした
ショートボブでますます顔の小ささが惹きたてられたココは、大きめのサングラスを掛け、ゆったりめのワンピースを纏い、長い足はブーツを履き、大通りまで歩いていく
母親のサロンまで忘れ物を届けにいくだけなので、家でゆったりしていた格好のままだったが、それでも、人目をひくココ
すぐに捕まったタクシーに乗り込み、サロンへと向った
「おじょうちゃん、モデルさん?」
ココがボーっとしていると運転手が話しかけてきた
その声に顔をあげると、バックミラー越しにこっちを見ている
「え? 違いますけど?」
「そうなの? じゃあ女優さんとか?」
「は? 」
「おじちゃん、そういうの疎いからさ、よくわからないんだけど、よかったらサインくれないかい?」
「あの・・ そういうんじゃないですから」
勝手に話を進めている運転手にうんざりしたココは、視線を外へ移した
「本当!! 助かるわ!! じゃあ気をつけて来るのよ? 知らない人に付いて行っちゃ駄目よ? それと・・」
「もう! もう17だよ? そんな事わかってるって! じゃ、切るよ!」
いくつになっても心配する母の言葉を遮り、ココはため息をはき、母親の部屋に向った
母親の部屋といっても、両親の寝室続きの姫花の仕事部屋だった
才能のある母は、自分のブランドを持ち、そのデザインをしているので、机の上はデザイン画が散乱していた
ココは慣れた手つきでデザイン画をまとめ、その下に埋もれていた黒のケースを発見した
モコモコの小さめのポシェットに、小銭、クレジットカードと、携帯を突っ込み、ケースを抱え自宅を後にした
ショートボブでますます顔の小ささが惹きたてられたココは、大きめのサングラスを掛け、ゆったりめのワンピースを纏い、長い足はブーツを履き、大通りまで歩いていく
母親のサロンまで忘れ物を届けにいくだけなので、家でゆったりしていた格好のままだったが、それでも、人目をひくココ
すぐに捕まったタクシーに乗り込み、サロンへと向った
「おじょうちゃん、モデルさん?」
ココがボーっとしていると運転手が話しかけてきた
その声に顔をあげると、バックミラー越しにこっちを見ている
「え? 違いますけど?」
「そうなの? じゃあ女優さんとか?」
「は? 」
「おじちゃん、そういうの疎いからさ、よくわからないんだけど、よかったらサインくれないかい?」
「あの・・ そういうんじゃないですから」
勝手に話を進めている運転手にうんざりしたココは、視線を外へ移した