憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
「お前、食うか見るかどっちかにしろよ・・」
と言う北斗の前にバサッと開かれた雑誌
「はぁ~ やっぱ飲み物ないとな~ ちょっとお水買ってくる」
苺花はそのままトレーラーに向って歩いていってしまったが、北斗は開かれた雑誌に釘付けだった
雑誌に載っているのは、4人の男女
あの日、撮影されたものだった
それは、姫花ブランドの広告で、姫花の手がけたサロンのopenを知らせるものでもあった
自分のファンダー越しに写っていたココが、ナチュラルビューティーだとしたら、こっちのココはそれとは正反対で、真逆の場所にいる気がしていた
つくられた美を意識してのものなのか、瞳はどこか憂いをふくんでいるようにも見える
「色んな顔を持っているのよね・・」
「・・・・・」
いつの間にか戻ってきた苺花が、北斗と一緒に雑誌を覗き込む
「北斗の写真集の子でしょ? まるで別人・・・」
「・・・・・」
「あの廉がかわいがるのもわかるわ・・ 女の私でも、こんな瞳されちゃあたまんないわよ・・ ねぇ北斗?」
意味ありげに北斗に視線を送る苺花に気がつかないふりをする北斗
「・・・・・」
「じゃあ私、クライアント待たせるわけにはいかないから、じゃあね」
そんな北斗と雑誌を置いて、苺花は去っていった
その後姿から、北斗は再び雑誌に視線を落とすのだった
と言う北斗の前にバサッと開かれた雑誌
「はぁ~ やっぱ飲み物ないとな~ ちょっとお水買ってくる」
苺花はそのままトレーラーに向って歩いていってしまったが、北斗は開かれた雑誌に釘付けだった
雑誌に載っているのは、4人の男女
あの日、撮影されたものだった
それは、姫花ブランドの広告で、姫花の手がけたサロンのopenを知らせるものでもあった
自分のファンダー越しに写っていたココが、ナチュラルビューティーだとしたら、こっちのココはそれとは正反対で、真逆の場所にいる気がしていた
つくられた美を意識してのものなのか、瞳はどこか憂いをふくんでいるようにも見える
「色んな顔を持っているのよね・・」
「・・・・・」
いつの間にか戻ってきた苺花が、北斗と一緒に雑誌を覗き込む
「北斗の写真集の子でしょ? まるで別人・・・」
「・・・・・」
「あの廉がかわいがるのもわかるわ・・ 女の私でも、こんな瞳されちゃあたまんないわよ・・ ねぇ北斗?」
意味ありげに北斗に視線を送る苺花に気がつかないふりをする北斗
「・・・・・」
「じゃあ私、クライアント待たせるわけにはいかないから、じゃあね」
そんな北斗と雑誌を置いて、苺花は去っていった
その後姿から、北斗は再び雑誌に視線を落とすのだった