甘め王子の豹変スイッチ
「えーほんとに?」申し訳なさそうに眉をさげる愛華。


「うん、まじごめんね」
あたしは手を合わせる。昨夜に後悔しながら。

「もーじゃあ遅れてもいいから来てね?」


「うん、わかった。ゴメン」


「もー…じゃあ行ってきます」


戸惑うように手をあげると、愛華は全速力で駆けていき、あっというまに姿を消した。


うわ。やっぱり一目散に行きたかったんだ、と驚いていたら、背後から聞き慣れた声がかかった。



「あっれ?松野?何やってんの?こんなとこで」




後ろをふりかえると、そこにはクラスメイト 西川 武<タケル>が原チャにまたがったまま、私の方に近づいてきた。


「わ、西川くん何その原チャ?免許あったっけ?」


「へっへーん、昨日とった」


得意げに鼻を鳴らす武。耳についた銀色のピアスが朝日の反射できらりと光る。



「てーか、松野何息あがってんの?」


うけるーとか言いながら笑う武。何もうけないよ
というか、私このハイテンションな人苦手で…。


「あ、先輩の…試合見に行きたくって」


「先輩?あー、一之瀬先輩のか」


なんですぐわかるんだろう。


武は、ふーん、とか小言をぶつぶつ言うと、ぱっと思いついたように自分のヘルメットを外し私に渡した。


「乗れば?」







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