妹彼女
この言葉で全員の動きと会話が止まった。俺に視線と耳を集め、寝ていた女の子たちも起きた。


「………いるよ。」


「えーっ、本当?誰?」


「教えない。」


この後のバスは騒然だった。いや、実際俺が聞こえないところでの話だ。


一体誰が好きなのか。

今までにアプローチしたのは誰か。

もしかしたら私かも。

告白されたらどうしよう。

今日朝海くんにおはようって言われた。


などなど、模索&期待&虚心が行われていた。男連中も何度も俺に誰が好きか聞かれたが、答えなかった。

思わず空がいてかわいかったから、いると言ったが、この前自分で空とは兄妹としていようと決心したのに、それを自分から崩したくはない。


自分が言ったことを後悔しながら、バスは合宿場に着き、波乱の森林合宿の幕開けとなった。
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