妹彼女
山道を歩いていると、崖のように切り立った道に着いた。この先から川の音が聞こえる。


「下から回ると遠回りだな…。時間はまだあるし、下から行こうか?」


「えーっ、平気だろ?これくらい。モタモタしてたら先に取られちまうぞ?」


「俺と大地は良くても、空と優ちゃんは女の子だぞ?こんな危険なところ渡らせられねぇよ。」


「わ、私は大丈夫だよ?海くん…。哀原くんの言う通り、早く行かないと取られちゃうしさ。ね?」


自分のせいで遠回りし、足手まといになるのが嫌だったらしい。


『私もいいよ。これで決まりだね。こっちの道行こうよ。』


珍しく俺の意見が却下され、危険だが崖側の道を行くことになった。


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