妹彼女
危険とは言ったが、人一人が十分通れる幅はあったし、まぁ多分大丈夫だろう。


だが人間、そう容易くはいかない。最初はみんなビビりながら進んでいたが、慣れてくると油断がでてくる。


「ねぇ、海くん。先週の理科で……」


ボコッ!


優が踏み込んだ岩が崩れ、岩と一緒に下に落ちた。


「きゃあぁっ!」


「優!」


すぐに俺もジャンプして優のところに行く。


「海!」
『兄貴!優ちゃん!』


優の体を抱えて、森の中に落ちた。地面に当たる直前で反転して、俺が背中から落ちる体制をとり、地面に激突した。


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