妹彼女
「ねぇ、海くん…。朝海くんがバスで言ってた好きな人って…空ちゃん?」


「聞こえてたのか?……あぁ、みんなには黙っててくれよ?」


「…やっぱり、私はダメ?」


キュッと、少し抱きつきが強くなった。胸を押しつけているのが分かった。


「優ちゃんもすごくかわいいよ。でも…、俺は空を一番にしてるんだ。もちろん兄貴としてね。だからゴメン…、優ちゃんが俺を好きになってくれるのは嬉しいけど、今の俺じゃ、それを全力で応えられない…」


「……うん。…じゃあ海くんが私を本気で好きになってくれるまで待ってる。だから今は…少しくらい幸せな気分になってもいい?」


腕と足を俺の全身に回し、ギューッとした。


「あぁ、それくらいでいいなら。」


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