妹彼女
「海くん!おはよっ!」


朝食を半分くらい食べていると、優たちが来た。後ろにいる空はなんか俯いてる。


「はよ、優ちゃん。……?空、どうした?」


いつもならなんとなく分かるはずの空の感情が読めない。


『あ、ううん。なんでもないの、おはよ、兄貴。』


すぐに笑顔に戻ったが、どこか無理してる感じだった。


「大丈夫か?きついんなら医務室に…」


熱があるかどうか手をかざすと、空はびっくりして下がった。


『触んないで!!』


……………。


食堂中がシーンとなり、俺はどうしていいか分からなかった。


空が初めて俺を拒絶した。喧嘩したならまだしも、原因が分からない。双子なのに今俺は空の感情が分からない。繋がりの糸が切れた感じだった。


「…空……。」


落ち込む俺を空はなんとも言えない顔をしながら通りすぎた。


俺たち二人の心は


少しずつズレていった…


< 147 / 208 >

この作品をシェア

pagetop