妹彼女
「海!」


「海くん!」


情報を処理できていない俺のもとに、大地と優が来た。


優は大地から全てを知らされていた。


「大地……、お前、知ってたのか…?」


「………あぁ…」


「はは、なんだよ……それ…?」


全てが…ウソ?

俺が今まで守ってきた空は

空じゃない?

俺は一体…なんだったんだ……?


『兄貴……』


「ふざけるなっ!俺は今まで、空のために全てを費やしてきたんだ!その空が偽物だと言われたら、一体俺は!なんなんだ!………なんで………なんで誰も……誰も何も言ってくれないんだ……。俺は………俺は……」


絶対的存在の人が否定されたら、俺は一体どうすればいいんだ?

もう分からない

何も分からない

分かりたくない


空を…空を…俺を青く染めてくれる空を…返してくれ…

じゃないと俺は…黒く濁るだけじゃないか…



何かが壊れるように俺は泣き叫んだ…ずっと…ずっと…


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