妹彼女
次に俺が目を開けた時、俺はベットに寝ていて、白い天井が目に入った。


『起きた?』


空海が腕元に座っていた。どうやら俺は医務室に運ばれたらしい。


『ゴメンなさい…いきなりあんな話されたら、混乱して当たり前だよね?』


「………もういい。何も知らず知った気でいた俺がバカなだけだ……」


空海に背を向け、反転した。


『……空って娘、大好きなんだね。ずっと一緒いてよく分か…』


「もういいって言ってんだろ!空である君が空じゃないって言ったら、俺は何を信じればいいんだ……」


再び涙がこみ上げ、枕に浸透していった。


『………、空でいいよ。私は空…、海を青く輝かせる。ずっとずっと、空でいたい。ダメ?』


「できるなら俺もそうしたいよ!でも…でもできないんだよ!今までの空が…空じゃないって分かると…」


『確かに私は、あなたと同じ血が流れてる双子じゃない。………でも、あなたが空、私を愛してくれたのは妹だからじゃないでしょ?空だからでしょ?あなたが今まで愛していたのは、紛れもなく私、空なんだよ。』


空海の一言一言が、俺の閉じた心を開けていく。


俺が愛した少女は、空だ。確かにこの娘は空じゃない。でもこの娘を愛したのも確かだ。


たとえ血が繋がっていなくても、心が繋がっていたのも事実。


俺は…空という…妹という存在に固執していたのかもしれない…


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