妹彼女
「…んで、このxが、こっちの式と等しくなるから、代入して…」


人だかりの中心で、数学を教えている海を見て、冬真は不思議そうな顔をした。


「たまに思うんだけど…。」


「ん?」


「海って、なんであんなに頭いいんだ?まぁ空ちゃんもだけど…。明らかに高校生の域超えてない?」


「ん~…まぁあいつの場合、ちょっと普通の人とは違うからな~」


空は俺が守る。

それがあいつの小学校の時の口ぐせだったな…


空が事故にあったのを自分の責任にし、二度とあんなことが起こらないよう、ありとあらゆる知識を吸収し、体も鍛えていた。


あいつの場合、覚悟が人とは違うんだな…桁が…








放課後、海と空は居残って教えてと頼まれていたらしいから、俺はそそくさと緑の病院に向かうことにした。


「分かった。それじゃあウチに来る時はメールしてな。」


「あぁ、そんじゃな」


『またあとでね~。大地~。』








さて、今4時か…

4時半から軽い検査があるって言ってからな。少し時間潰して、5時に着くようにすっかな…


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