妹彼女
「…………ん…」
次に目を開けると、緑の病院と同じ天井が映った。
『あ、起きた!兄貴~!』
……空?あ、じゃあやっぱりここは緑の病院か…
「起きたか、大地。骨にヒビ、全身打撲、後頭部に傷。全治3日だそうだ。よかったな、月曜祝日で。」
「大地~!」
海を押し退けて緑が部屋に入り、泣きながら抱きついた。
「緑…」
『兄貴…』
空が海を手で外に出るよう促し、二人は俺の病室を出た。
「大地…。大丈夫?血いっぱい出てて…、ホント、心配だったんだよ…」
後頭部の包帯や腹のガーゼに触っている緑がすごく、すごく愛くるしかった。
「ごめんな…。あんなひどいこと言って…」
「ううん…。私のために言ってくれたんだもんね?私があそこにいたら、大地の迷惑だもんね。」
「ありがとう…ホントにありがとう…」
痛みは無い…緑がいるだけでいい…
俺は、この世の誰よりも、
緑が好きだ…