妹彼女
というわけで今風呂場の前にいる。時々磨りガラスごしに空の体がぼやけて見える。空もたまに俺がいるかどうかを確認する。


『ねぇ、兄貴。』


体を洗いながら俺に話しかけてきた。


「あ?ちゃんといるよ?」


『そうじゃなくてさ、兄貴私とエッチできる?』


学校の帰りの時といい、今日の空はよく俺の不意を突く。てかなんだその質問は?バカにしてんのか?


「できるわけねぇだろ?俺たちは家族、しかも双子だぞ?万が一もあり得ない。」


ムカデ騒動で俺が空に裸を隠せと思ったのは俺がヤバい感情になるわけじゃなく、ただ兄としての妹への女の子としての身の振り方を考えろってことだ。
大体俺はあいつの裸を見てもどうとも思わない。


『そう…だよね。』


「なんだ?俺としたいのか?」


まぁしたいって言っても絶対させないけどな。妹に手を出す程、俺はバカじゃないし、そういう考えは嫌いだ。


『そ、そんなわけないでしょ!?バカ言わないでよ。ただ兄貴はどうなのかなって思って。』


「兄として家族として言っておくが、させないし、しないからな。」


『分かってるわよ。もう忘れて。あがるよ?』


ドアから離れて脱衣場を出た。


この時はまだ俺は甘く考えていたのかもしれない。


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