妹彼女
教室に行き席に座ると、女子の視線が集まったが、いつも通り無視した。


「なぁ海。今日昼から暇?」


大地が教室に入ると、すぐに俺のところに来た。


「今日は学校終わった後空とデパートに行く予定だけど?」


「げっ?マジ?俺暇だからゲーセンかなんか誘おうと思ったんだけどな~。」


「じゃあ一緒に来るか?」


「え?いいの?」


「いいよ。お~い!空~!」


男子に囲まれていた空を呼ぶと周りの男子を無視して俺のところに来た。どうやらあいつらは邪魔だったらしい。


『なぁに?兄貴。』


「大地も一緒に連れてっていいか?」


『大地も?うん、いいよ。』


別に空に意見を聞く必要性は無い。俺と空の意見が今まで食い違ったことはない。双子の便利さの一つだ。


「じゃあ学校終わったら着替えて俺んとこに来てくれ。」


「あぁ。」


『あの、兄貴…。』


自分の席に帰りたくなさそうな顔をした。


「どうした?」


『できたら、ホームルーム始まるまで、ここにいていい?向こうはちょっと……』


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