妹彼女
黒とチェックの傘をさし、雨の中学校に向かう。今は朝起きた時よりも弱い。


教室に着くと、まだ木乃香は来ていない。忘れていたが、大地もまだ来ていない。空はカバンを机に置くとすぐに俺のところに来た。どうやら絡んでくる男子が嫌いらしい。


『大地、まだ来てないね。』


心配そうな顔をした瞬間、大地が教室に現れた。カバンを置くと笑顔で俺らのところに来た。


「おっす、昨日は悪かったな、重い空気にして。」


やっぱりふっきれてやがる。分かりやすい奴。


『もう大丈夫なの?』


「あぁ。よく考えたら、会えただけでも十分だし、仲良くなろうとした俺が欲張りだったなって。俺にはまだたくさん候補がいる!」


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