妹彼女
「海を映し出す空、空を映し出す海、二つがあって初めてお互いが輝く。空が悲しい雨を流す時、海はそれを大きな体で受け止める。海が出す水蒸気が空で雲となり、大地の仲間に潤いを与える。」


俺と空が病院以外で正式に出会ったのは3歳の時、空は生物的に見ればまだ1歳程度だが、3歳と扱われる。
俺は初め、空は年の離れた妹なのだと思ったのだが、双子だと聞いて驚いた。


小学生になった時、空はまだ全然小さかった。人見知りが激しく、引っ込み思案な空(今は違うが)は友達がなかなかできず、いつも俺のそばにいた。

俺は空をかわいく思っていたので、この時は空を優しく受け入れていた。

だが1年後半になると、友達も増え、優先順位が変わってくる。

だが俺は優先順位を変えちゃいけなかった。変えてしまったからこそ、あの事件が起きた。


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