妹彼女
この後の二時間、国語と家庭科もほぼ自己紹介で終わり、授業は始まらず、昼食となった。空の提案で、俺、大地、緑は椅子を持って空の窓際の席に集まることにした。気持ちいい風が入る。


弁当を開けるとやはり女の子が作ったんだな。かわいく作られてる。空の弁当は俺のミニ版といった感じ。


優や木乃香が仲間に入りたそうな顔をしたが、他の女友達に連れて行かれる。


「…?空ちゃん、どうしたの?」


『え、あ、いや…』


自分の弁当を食わず、俺の顔ばかり見ていた。あぁ、俺が食って感想言うの待ってんのか…。卵焼きを一つ取り食べた。


「美味しいよ、空。」


『へはっ。でしょう?』


満足か、自分のを食べ始める。緑はそれを感心して見ていた。


「仲いいんだね。兄妹愛ってやつ?」


『そ、そんなんじゃないよ。ただお弁当だと味が変わっちゃうかなって…』


なら自分の弁当でもいいんじゃないの?って言おうとした緑だがやめた。照れ隠ししてるのは見え見えだった。


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