つづく、あしあと。
 けれど、智子はそんな私に気づかず、言葉を続ける。
「ユウキくんってさあ、けっこうもてるのに、何でさちと付きあってるんだろ」
「好きだからでしょ」
 そんなことを議論したくはないので、そっけなく返す。
「ええ? だって、さちって何かぱっとしないじゃん?」
 
 そうだろうか。
 私はさちの容姿を思い出す。
 染めてもいないのに、色素の薄い茶色の髪の毛。白い肌。
 瞳は大きいとは言えないけれど、長いまつげにふちどられていて、女の子らしい。
 私よりも十センチも背が低くて、どことなく頼りない雰囲気を漂わせている。

 
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