君のトナリ




「ああ、うん」


急いで、ファイルを手に持って出かける。


「河原君」


初めてではないのかな。


きみの名前を呼んだの。


「何」


気のせいなのか、冷たいまなざし。


「どこの大学に行くの」


「・・・わからないや」


うそ、うそよ。


きちんと決めていたじゃないの。


うわさと違っていたじゃないの。


< 17 / 29 >

この作品をシェア

pagetop