彼の事情
「じゃっっいこっか。」



陸の家まで手をつなぐ。
陸は背が高い。
わたしも165センチはあるけれど・・・陸は175センチ。

顔もかっこよくて、スポーツも出来て
本当に羨ましい。



陸の家はマンション。

お兄さんが1人、妹が1人いる。
みんな仲がよくていつも一緒にいる。
もちろん今日もいた。



「おじゃましま~す。」

「ただいま。」



「おっいらっしゃい!!」

「こんにちは。お兄ちゃんおかえり。」

お兄さんの淳(じゅん)さん・妹の絢(あや)ちゃん。

「ほらっっ絢二人の邪魔したらいけないぞ!」



「は~ぃ。」

そういって自分たちの部屋に帰っていった。


陸の部屋は野球だなぁ~と思うような部屋。

壁はポスターだらけ。
棚はピッチャーだからなのかグローブがぎっしり。




「さ~て夏休みどうする?」


「陸は練習がたくさんあるんじゃない?」


「まぁ~ね。試合もあるし。」



「あんまり遊べないね。」


少し寂しい。

「練習がおわったらお前の家いくから。」



「待ってるね。」


陸の隣にいるだけで幸せ。
少しでも一緒にいたい。
それだけなのに
神様はなぜ陸だけを
苦しめるのですか?
笑った分だけの苦しみを
与えるのですか?

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