Cleome
ムカつくヤツ。
今度会ったらどうしてやろうか?

八つ裂き?
海に沈めるか…。
山に埋める…。

でも、自分の手は汚したく無いからな…誰かに刺されればいいのに。

ミンチにしてやる!
ハンバーグにしてやる!

イラつきマックス!
地団太を踏みまくる。

「お姉ちゃん!ご飯だよ」

琉珂に呼ばれて、まだ腹の虫は収まらないものの、部屋を出た。

「大丈夫?さっき凄い音がしたけど…。」
「ああ、大丈夫。変な奴からの電話に腹が立っただけだから。」

ヤバい、思い出しただけでぶり返してきた。

「変な奴?」
「そ、変な奴。琉珂の先輩になる。」

琉珂は誰か分かったのか、あー。と言いながら、ダイニングに入った。
琉珂にまで変な奴と思われるとは…ざまぁみろ!


「あ、宇海いいところに!回覧板を田野さんの家に持っていってくれない?」
「んー。」

面倒だけど、霄のお母さんは家に子供がいなくて寂しいらしいから、あたしが時々会いに行ってる。


霄の家の前に来ると、ちょうど買い物帰りのおばさんに遭遇。
「宇海ちゃん!こんばんはー。」

相変わらずのおっとり口調。

こんな優しい人の腹からあんな変なのが生まれたなんておかしい。
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