Cleome

日常

あたしは教室に飛び込むと、一直線に親友の大西里美(おおにしさとみ)に飛びついた。

「おかえり、宇海(うみ)。大丈夫?」
「ムリ!あーさぶっ!」

やっぱり里美は落ち着く。マイナスイオン。滝だ、滝。

「本当に嫌いだよね。」
里美から離れて椅子に座ると、手を横に振った。
「ムリムリっ!あーこのクラス女子が多くて良かった。」

このクラスは大半が女子で、男子がチラホラ。
隣の隣なんて…男子ばっかだし。

ありえね!

最近はたくさんいなきゃ男子は平気になってきた。前よりは。
美形っぽいヤツはムリだけど。

「そういえば、琉珂(るか)君すごいね。黎斐(れいひ)高校の枠に入ったんでしょ?」

黎斐高校っていうのは、ここから車で2時間の所にある男子校(あり得ねー)で、各中学の成績上位者が半強制的に独自の試験を受けさせられ、受かると辞退はできない。

超進学校。

「琉珂イヤがってた。」
「宇海と離れなきゃいけないもんね。」

そう!それが問題。
あ、琉珂っていうのはあたしの弟で…めっちゃ可愛い。

あー心配…琉珂可愛いから襲われたりしないよね…。
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