Cleome
結局、お父さんから聞き出そうとするとお母さんとか琉珂が間に入って聞けなかった。

あたしに隠し事するなんて…。お父さんにはよくするけど。

「お姉ちゃん、オフロ…」
「はいはーい。」

琉珂に聞く気は無い。
しつこくして嫌われたく無いしー。

部屋を出ると琉珂がまだ立ってた。
「お姉ちゃん…ごめんなさい。」
「んー別にいいよ。家族だからって隠し事はあるし。」

あたしだけに隠し事なのは気になるけど。

「…すぐ分かるから…」
琉珂にしてはトーンの低い声がしたけど、考えててあんまり聞こえなかった。

「何か言った?」
「何でもないよ。」

焦ることもなく、フツーに笑顔で言われたから何でもないことなんだろう。

「お姉ちゃんの髪キレイだよね。」
「そう?ありがと、琉珂。」

あたし自身けっこう気に入ってる。
性格は男っぽいけどさ、長い髪とか服は別物。

ヒラヒラーな服は着ないけど。…男みたいなカッコすると、お父さんに泣かれるからなぁ。

「さーて、フロフロー。オヤスミ、琉珂。」
「おやすみなさい、お姉ちゃん。」

最近…琉珂の様子がおかしいような気がする。
なんだろ…?

「気のせいか。」

あのみんなの怪しい行動も気のせいだったらよかったのに…。
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