Cleome
入ってきたのは、三十くらいの紫のオーラを発する色気ムンムンの女の人。

親父の愛人?
 んなわけ無いか。
 母さんにデレデレだもんな。

「あなたが宇海さんね?」

めっちゃジロジロ見られる。何て言うか…品定めしてる感じに。

「男の子に見えなくも無いわね。というか…琉珂さんより男の子みたいだわ。見た目合格。」

何やってるわけ?
見た目合格って…あたし、売られるんじゃ…。

「学力の方は…」

そう言うと、お父さんがあたしのテストの結果が書いてある紙を持ってきた。

「何で持ってんの!?」

そんなあたしをよそに、女の人と家族は紙を見てる。

「あら…去年のあなたたちの中学の入学生の霄さんよりも高いんじゃないかしら?」

霄…?高いって…もしかして…黎斐の…。

「もしかして…黎斐の人?」

あたしの言葉に頷く琉珂。
「黎斐高校の校長よ。」
「母さんの友達なんだよ。」

……マジ?
なに?もうあたし決まったも同然!?

「ちょ…!あたし行きたく無いんだけど!?」

男子校って…男子校じゃん?
男ばっかじゃんか!

死ぬ!ムリ!

「…琉珂を一人で行かせるの?」

霄に頼んだし…。
いや、信用ならねぇな。

「琉珂が心配じゃないのか?」

心配だけど…男ばっかじゃん!

「みんな知ってんじゃんか!」
あたしが吠えたってしらばっくれるような家族だけどさ!
 琉珂まで目をそらすし!
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