Cleome
首を強く絞めすぎて瀕死の状態の霄をベッドから蹴落とす。

「もう帰れ!」

用事済んだし。居ても邪魔!

「お前…人の部屋勝手に入ったな!?」
床に転がったまま、霄が言った。
「おばさんに頼まれたからだしー。」
「それと、この紙もお前か!?」

 立ち上がって、ポケットから紙を出してあたしに突き出した。
エロってびしっしり書かれてて、裏には死ね。
まさにあたしが書いた紙だ。

「へぇ、届くの早いじゃん。」
「やっぱりお前の仕業か。」
「おばさんに言わなかったのを感謝しろよ!」

まぁ、色々とな…あのピンクのブラとか。あの後、おばさんかおじさんが部屋に入ったとしたら、大量なエロ本は見付かってるだろうけど。

「お前さぁ…男子校だろ?アレいらないじゃん。」
あの紙袋の中身。すっげー謎。
「エチケットだ。」
「エチケットにあんな大量なのか!?相手いないんだろ!」

思わず大声を出すあたし。霄はポケットから一つ取り出した。

「なに?お前…誰とでもヤる無節操男か!?」
「思春期の男の性欲をなめんな!」

知らねぇよ!

 あたしはため息を付くと、ベッドに腰掛けた。

あたしと霄っていっつもこんな風に言い合いしてたっけ。
しかも、くだらないことばっかりで。

「あたしはもう寝るから帰れ……ってくつろぐなよ!」
いつの間にか、霄が寝転がってクッションを抱きながら、本を読んでた。
< 38 / 72 >

この作品をシェア

pagetop