Cleome
なんか…バカ過ぎて拍子抜け。バカ過ぎて油断ならないとこもあるけどさ。
そういえば、ここ来た時点で終わりって霄言ってたけど…これか?
余裕じゃん。顔を直視するのは無理だけど。

 ……余裕ではないか。

「琉珂、まだ荷物運び終わってないよな?」
「うん。もう少しあると思うよ」
「じゃ、行くか」

この二人は放っておこう。
 あたし、変な人と関わりもちたくない派だし。…萌華は変なヤツだったけど。

「ストップ!ジャストストップ!」
なんかもうよく分からない英語を言いながら、あたしたちの前に飛び出してきた。
「ノット自己紹介!」

こいつ絶対英語の成績良くないな、確実に。
 
「オレは藤堂帝志(トウドウ テイシ)黎斐ハイスクール二年生になる予定!趣味はフラワーを摘むことと読書とニャンニャンすること!」
やべぇ…殴りたい。ニャンニャンって…意味不明なんだけど?
…ツッコミ所満載の自己紹介だし。趣味とか…女を口説くこととエロ本読むの間違いじゃね?


「訳すと、老若男女問わず口説くことと、エロ本読むことだろ?」
「やっぱりな…。霄の仲間じゃん、よかったな」

さて、荷物取りに行くか。
「あ、霄、ダンボール開けて教科書本棚入れといて」
「はいはい…」
「そっちのは開けるなよ」
 確か下着入ってと思う。
「じゃあオレが…」
 とか言って帝志とか言うヤツがダンボールに近付いた。
「触んじゃねぇ!」

 とりあえず帝志を横に吹っ飛ばすと、ダンボールを離した。
「とてつもなくバイオレンス!」
「さーて、琉珂行こうぜ」
「シカト!ヒドッ!」
 泣きまねしていじけてるし!


 おもしろいわ…こいつ。
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