Cleome
現実ってそんな生易しいわけないよな……。
どこを向いても、男、男、男……男?男!
めまいが……。

「……お兄ちゃん、大丈夫?」
「ヘーキ……ヘーキ」
若干、動悸息切れめまい。琉珂だけがあたしの癒やし!琉珂がいなかったら生きてけない。
「琉珂、お前は体育館行けよ。帝志と一緒に」
「あ……お、俺も行く」
帝志と琉珂を一緒にするなんて無理!穢れる。
「プリティー二号は任せなさい!」
任せらんねぇ!
「じゃあ……宇海、お前が帝志と行くか?」
……イヤだ。でも、琉珂と帝志を一緒にするくらいなら!

あたしが決心すると、琉珂が帝志を引っ張って歩き出した。
「僕は大丈夫だから」
と、遠ざかっていく琉珂と獣。
ごめん……琉珂!何かあったらすぐ助けに行くから!何かある前に行く!
追い掛ける事ができない姉を許して欲しい!

「宇海、俺たちも行くぞ」
「どこに」
「校長のとこ」

動けずにいるあたしを霄は引っ張ると、校舎に向かって歩き出した。
何で校長?
「連れて来いって言われたんだ」
「ふーん」
まぁ、特殊な生徒だし?呼び出すのも当たり前か。
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