Cleome

「何で今更?」
「だってぇー霄が、2月にケータイ変えるからって。」


確実に教える気無かったな。
何で気づかないんだろ?それにしても…今まで覚えてたなんて凄いわ。忠実に守ってるのも。

「あーちょっと待って」

ケータイ、ケータイ…。
鞄の中からケータイを取り出すと、電話帳を開く。
抹消した気もするし、しなかった気も…。

敵ってフォルダに《バカ(霄)》ってある。

奇跡ー!

「消してなかった。」
「あったのー?教えてー!」

赤外線そーしん♪

ざまぁーみろ!
女の敵だ!

「番号入ってる?」
「入ってるーありがとー宇海♪」

いえいえ…頑張れ。
イヤーな顔してる霄を想像すると…やっば…ざまぁーみろ!

「じゃあねー☆」

見送りながら心の中でニヤリ。

「隣組の子だよね。」
「霄って誰なの?」
「幼なじみ。黎斐に通ってんの。あたしより頭悪いけど。」

や、別に黎斐行きたいわけじゃないけど?

「宇海頭いいもんね。」
「キョウダイで頭良いなんて…ズルいわ!」

遺伝子の問題だし。
と言いながら、萌と里美も頭いいじゃん!
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